あんよね。

片面印刷チラシの裏みたいなもの。

武装。

またまた、前職場の話である。
創立○十年の記念式典を箱根のホテルで開催した時のこと。

当時、既に局だった私、その式典の表彰式のアシスタントを申しつけられた。
普段、仕事は、ラフな服装でOKなこともあり、カジュアルな服装に毛がはえた程度だったが
流石に記念式典、おまけにアシスタントとあっては、それなりにキチッとめの正装をした。
正装すると、もれなく化粧もそれなりにつくらねばならない。
何事もバランスが大事である。
とにかく、武装である。

そのお陰かどうかは、定かではないが、式典は滞りなく進行
無事、終了した。

諸先輩方から、年齢相応の女性にみえるぞとの言葉もあり武装も成功とあいなった。

ところで、この武装、全く予想していなかったのだが
もうひとつ、効果を発揮したのである。

後輩男性社員(同年齢)の態度がコロっと変わった。
それまで、仕事に関しても私をなめきった態度をとってくれていたのだが 
(実力不足は否定しないけど・・・苦笑)
武装以降、わからないトコロや疑問に思うトコロを素直に聞いてくれるようになったのである。

転職を考えたのも、実は彼の

『これ、年末商戦用だから来年の12月には出ますよね?
 僕、絶対買いますよ。この仕事、すごく楽しいです!』

との言葉とともにあった輝いた目をみたからである。
その情熱が、私にはないものだった。正直、羨ましかった。

彼は、電話応対など特に苦手としていて損をしていたのが
武装後、局のアドバイスを素直に聞くようになり、お客様あっての仕事だと
本との意味で理解した。製品としては中間的な役割な仕事だったので
エンドユーザーの顔はみえにくい仕事だったのだ。
その意味でも、その会社を職場に選んだことも言っていた。
知識と探究心は私より、ずっとずっと大きかった彼である。


私の送別会のときに、半べそ顔で

『ありがとうございました。頑張ってくださいね。』

と言ってくれたことが嬉しかった。
武装しなかったら、この言葉も聞けなかったと思う。

 

武装も悪いもんじゃないです。はい。