あんよね。

片面印刷チラシの裏みたいなもの。

ハンター。とは。

アイス屋でアルバイトに励んでいたころの話である。
私は、瞳うるうるに睨まれていた。
瞳うるうるとは、バイト先で一緒のシフトで働いていた
1学年下の男子O君の親友の彼女である。

何でも、瞳うるうると彼氏の関係がうまくいっていないとの
ことで、ちょくちょくO君に相談をしていたようだ。
アイス屋にも、よく顔をだしていたので、私が勝手に命名
いつも、瞳がうるうるしていたのだ。そのまんまだけれど。

ところで、私は、彼氏の親友に相談という図式自体が
理解不能な考えの持ち主であったので、彼女とは相容れない
ものがあった。心が狭いけれども、許してほしい。
私の目には、瞳うるうるの姿が既にO君を狙い撃ち体制に入っているハンターにみえたのだ。

しかし、O君は敏感な性質ではない。素直な性格だったが
かなりの天然素材だった。
お客さんがいない時間は瞳うるうるの前で、私と仲良く話していたりする。
実際、修学旅行のお土産だと大量のプレゼントをくれたりする。
何か、えらいたくさんお金使ったんじゃ?と私が聞くと
ええ、私さんのが一番多いんです(笑)とか普通に言ったりする。
すると、瞳うるうるは私を睨むという図式。私は、いつまで睨まれるのだろうか。


後日、O君から私宛に封書が届いた。
中には何も入っていなかった。やはり、O君は天然だった。


その気はないと断り、時期的にも自動車学校に通ったりで
日々は過ぎ高校も無事卒業し、上京した。
風の噂で程なく、瞳うるうるとO君は付き合うようになったと聞いた。

やはり、あの瞳はハンターのものだった。
それ以来、瞳がうるうるしていて上目遣いの瞳をみると
彼女を思い出してしまう。今も元気でやっているだろうか。
O君より彼女を思い出してしまう私は、ある意味O君より彼女に興味を持っていたのかも知れない。