若者の頃、地元まで帰省した時のことです。はい。
飛行機のチケットがとれず、やむなく新幹線で
それから、また、特急といえど単線なので待ち合わせする
列車に乗り継いで、約１１時間の旅です。
世間様もお休みのところが多いもんですから
新幹線も指定席なんてのは、空いちゃおりません。
自由席もいっぱいですよ。はい。
で、朝一番だったもんで、座席には座れないだけで、全体的には
楽なんですね。はい。
しかしですね、長距離の方が多いわけなんで、座席もなかなか
空かないんです。
え？私ですか？
若者でしたから、通路に座るなんて出来ませんよ。ええ。
姿勢正しく立ってたんです。変なプライドですが、
プライドというよりは、やせ我慢とでもいうのでしょうかね？
そしたらですよ。
広島あたりから、空席が出来るわけなんですね。ええ。
座ろうかなぁとは、思ったんですがね、ここまできたら
もう、たっていようかと、１人我慢大会を開催しようと
してたんです。はい。意味が全くないのですが、若者なので
自分をいじめてみたかったんだと思います。
先ほどまで、近くで同じようにたっていた若者が
空いた席に座り、また、戻ってきて
『席、空いてるよ。おいで。』
と、わざわざ誘導してくれるではないですか。
初対面ですよ。ええ。
それまで、会話なんてないんですよ。
しかし、ほっとけなかったのでしょうね。
何だか、１人我慢大会がアホらしく思えてきましたよ。ええ。
全体の行程からすると短い時間ですが席に座れました。
声をかけてくれなかったら、多分１人我慢大会は延々と続いていたと思われます。
ありがたいですね。
